南相馬:2011/12(震災から282日目)

2011年12月17日
南相馬:栄町商店街さんが毎月第3土曜日に実施している「栄町ナイトばざーる」が開催されました。
 
6月に南相馬に行って以来、約半年ぶりに南相馬に行きました。
緊急時避難準備区域も解除となり、原発の収束宣言が政府から出てはいましたが、
復興・復旧へ順調に進んでいるとは言えない南相馬でした。
理事長殿から「今の現状をホームページに載せて欲しい」とお話いただき
私なりに感じた事を含めてレポートさせていただきます。

report by AFRO DIRECTORS

 
 

 
 
毎月第3土曜に開催されている「南相馬:栄町商店街 栄町ナイトばざーる」
 
12月開催では、 先着50名様に「お正月わ飾り5本組」がふるまわれました。
わ飾りは、太田玩具店の太田庄市さん手造りのわら細工で、青わらにおへいそくと昆布が付いています。
当日、飾り物のご祈祷も開催しました。
開始14時には、会場のニューさいとうさんに沢山の方にお越しいただき大盛況となりました。
 
震災後の4月以降、毎月第3土曜日に開催している「栄町ナイトばざーる」
南相馬のみなさんに元気を与えるため、栄町商店街さんが元気に運営しています。

 
 
緊急時避難準備区域から解除となった南相馬市原町区。
栄町商店街も解除になった地域となりますが、車の往復や車でお買い物に来る方はいるが、歩いている方はほとんどいないとのことです。
また震災前は7万人あった人口も、現在4万人まで戻ってきているとありますが、商店主さんが感じるところだと、もっと少なく感じるとのことです。
 
原の町駅及び国道沿いにあるマクドナルドをはじめとする大手チェーン店は、津波の被害がなく店舗として問題ないと思われますが、半年経った今でも営業を再開していないところが多くありました。
その中で、震災前と変わらず、営業を続けている栄町商店街さんです。

 
 
栄町商店街さんから3~4キロ:いわき方面に国道6号線を進むと、福島原発から20キロの地点になります。
現在も、警察車両がその道で通行者の確認を行っています。半年前とまったく変わらぬ風景でした。
 
震災前は、この先にある常磐自動車道から南相馬に来ていましたが、この状況なので、今回も南相馬に来るためには、東北自動車道にう回し、二本松インターチェンジもしくは福島松川PAのETC専用インターチェンジから、県道を通り、川俣町・飯館村を越えて南相馬市に入る事になります。
 
原発の収束宣言が政府から2011年12月に出されましたが、この先の道を通る事が出来、いわきを抜けて常磐道経由でアクセス出来る日はいつになるのかと思ってしまいます。
 
南相馬の方も、東京に行く際には大きくう回しなければならず、いままで1時間程度で行けていたいわきにも大きくう回しなければなりません。

 
 
半年前(2011年6月)に津波の被害のあった地域に連れて行っていただきました。
そして今回、前回連れていっていただいたところに再び行ってみました。
前回行ってから半年が過ぎていましたが、まったく変わっていないと言える姿がありました。

 
 
半年前と写真で比べると、がれきなどの処理が進んでいると言えますが、実際に行った時には、まったく変わらない姿に思えました。
半年前よりも、がれきの処理が進んでいるから、余計に何もなくなってしまった事を感じる姿でした。



 
 
写真で見ると、一方向だけしか見えないものになるので
車を降り、その場で360度回って写真を撮りました(原町区島崎地区・大内地区)
 
風の強さ・風の音を強く感じました。


 
 
地震・津波発生後に、新聞社さんの空撮の写真で、球場全体に海水・がれきが流れ込んできていた「みちのく鹿島球場」
がれきは取り除かれて、野球場の姿を戻してはいましたが、フェンスが折れ曲がっていたり、ガラスが割れていたり、ところどころに津波の傷跡が見られました。
みちのく鹿島球場の周りの風景も一変してしまっています。

 
 
国道6号線:小島田交差点まで津波で流されていた漁船。
国道沿いに乗り上げるようになっている船は、半年前とまったく同じ姿でした。
他にもあった船は、上部は撤収されていましたが、船底はまだそのままの姿でした。
 
漁港があった付近に新しい船が止まっていました。
漁港再開に向け、まだまだ沢山乗り越えなければならない事があると思いますが、少しでも前に進んでいって欲しいし、その力になれればと思います。

 
 
2011年12月21日
JR常磐線:原ノ町~相馬間の運転が再開されました。
原ノ町駅に再び乗客が来て、電車を利用出来るようになりました。
 
しかし、相馬から仙台方面にある亘理の間、原ノ町からいわき方面にある広野の間の運転再開見通しは立っていないのが現状。
 
原ノ町~相馬間再開前まで亘理から原ノ町まで代行バスが運行され、今後も再開までの間、代行バスでつないでいくものと思われますが、原ノ町から広野までの間には、福島第一原発があるため、目処がつくどころではない状況です。

 
 
原町から飯館村方面に向かうと、高速道路の建設現場が現れます。
半年前にはなかった高速道路への入口を建築していました(周辺も整備されつつありました)
 
福島第一原発があるため、いわき方面へのアクセスは難しい状況であるので、仙台方面への高速道路の整備を一刻も早くしていく必要があると思います。
 
インフラの整備もまだ進んでいない現状。
復興・復旧を進めるためにも、出来るところからの整備を進めて欲しいと思いました。

 
 
今年2011年は縮小しての開催となってしまった「相馬野馬追(そうまのまおい)」
雲雀ヶ原祭場地に行きました。
 
入口にある馬頭観音像の馬が倒れてしまっていたのですが、新しいものに生まれ変わっていました。
また、雲雀ヶ原祭場にある厩舎には「来年こそ相馬野馬追を!」と大きな横断幕が飾られていました。
 
南相馬のみなさんも、来年は必ずやると準備しているそうです。
来年2012年の夏、
南相馬の復興のシンボルとして甲冑競馬・神旗争奪戦が開催されるものと思います。
今から楽しみです!
その時には今よりもいい状況・復興復旧に向け少しでも進んでいる事を願います。


 
 
南相馬市:栄町商店街さんのジャンパーには、「がんばろう!南相馬!」と力強く書かれています。
南相馬に戻ってきた方に、パワーを与えるべく、毎日の営業はもちろんのこと、「栄町ナイトばざーる」は毎月第3土曜日に開催されています。
 
来年2012年には、さらにパワーアップした企画・イベントをご用意してみなさんに楽しんで頂こうとしています。

 
震災から9か月が経ちましたが
私が半年前に伺った時とほとんど変わらない状況にあり
復興・復旧までにかかる時間は、どれだけかかるのかと思いました。
その中でも 復興に向けて動き出している商店街さんをはじめ
南相馬のみなさんがいます。
 
 私が出来る事。
 私達が出来る事。
 
これからも南相馬:栄町商店街さんをはじめ
みなさんの力になれることをMAXサポートしていこうと思います。
 
 
 

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